一般社団法人日本障がい者スイミング協会

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学習障害(LD)とは?

学習障害は、個々の子供が学習において特定の困難を経験する状態を指します。

これは読字・書字障害、計算(算数)障害などがありますが、その他言語障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などを重複することもあります。
学習障害を理解し、子供たちに適したサポートを提供することは、保護者や支援者にとって重要な役割です。


①学習障害とは?

学習障害とは、子供が学習において通常の進捗よりも遅れや困難を経験する状態です。
これは、知覚、言語処理、記憶、注意力、集中力などの神経学的な機能に問題があることに起因することがあります。
学習障害は個々の子供に異なる形で現れ、一概には言えませんが、一般的な特徴として、特定の学習領域での遅れや苦労が挙げられます。

学習障害は、読字・書字障害、計算(算数)障害などがあります。


②読字障害・書字障害とは?

読字・書字障害では文字や単語を理解しにくく、例えば国語の教科書や本を読むときに漢字の「へん」と「つくり」がバラバラになって見えて読めなかったり、文字がちらちら動いて見えてしまう子もいます。目線で追うことも難しいため、読んでいるうちに次の行に移ってしまったりして、内容が理解できないこともあります。

書字障害の方では、パソコンやタブレットのタイピングはできてもペンで書くことが難しいため、タブレットで授業に参加している子もいます。私たちの水泳教室でも、タイピングをプールの授業で取り入れて、水泳も書字障害の工夫対応も両方上手になったお子さんもいます。


③算数障害とは?

算数障害では数学の概念や計算が難しい場合があります。
例えば、50円玉1枚と、10円玉5枚が同じ50円ということの理解が難しかったり、牛乳瓶と牛乳パックで同じ1000mlであっても大きさに意識が向いて内容量が同じことを認識しづらかったりする子がいます。


その他、言語障害では、言葉の発音や表現に課題が生じ、ADHDでは注意力の問題や多動性が見られることがあります。

④学習障害の子供へのサポート

学習障害を抱える子供たちは、通常の学習環境においては他の子供たちよりも理解や習得が難しいことがありますが、これは彼らの能力が低いわけではなく、学び方が異なるためです。保護者や支援者として、学習障害を理解し、子供たちにとって最適なサポートを提供することが重要です。


⑤サポートの第一歩で大切なこと

まず、早期発見が大切です。学習障害は早い段階で気づき、専門家の評価を受けることで、適切なサポートが得られる可能性が高まります。子供が学校に入学する前や学習の遅れが明らかになった際に、教育機関や専門家と連携して評価を受けることが重要です。


⑥教材や支援内容はどうする?

個別のニーズに合わせた教育プランが必要です。
学習障害を抱える子供たちは、一般的な教育プログラムだけではなく、個別のサポートが必要です。特別な教育プランや支援サービスが提供されることで、子供たちが自信を持ち、成功体験を積むことができます。


例えば、算数障害がある子は、算数の授業は別室で個別に授業を受け、他の科目は元のクラスに戻ってくるなどしています。
算数障害がある一方で、絶対音感を持っていて音楽の楽典は完璧だったり、歴史に詳しくて資料集の後ろの人物図鑑をすべて丸暗記したりと、他の科目で得意な面を持っている子もいます。


⑦サポートの鍵はコミュニケーション

コミュニケーションは重要な鍵となります。
子供たちが学習障害を抱えている場合、彼らの感情やニーズを理解し、オープンでサポーティブなコミュニケーションを通じて関わることが大切です。
保護者や支援者は子供たちに対して理解と尊重を示し、彼らが自分のペースで成長できるようサポートする役割を果たします。


最後に、学習障害を持つ子供たちにはポジティブな強みや能力もあります。

彼らが直面する課題には、独自の創造的な解決策やアプローチが存在することがあります。
保護者や支援者は子供たちの強みを見つけ、それを伸ばすための環境を提供することで、彼らが自分らしい成功を収める手助けをすることが期待されます。

総じて、学習障害を持つ子供たちは個性的であり、適切なサポートがあれば充実した学びの経験を得ることができます。

保護者や支援者は柔軟で理解のあるアプローチを取り、子供たちが自分の力で成長し、学ぶことを楽しむ機会を提供することが重要です。