自閉症・自閉スペクトラム症(ASD)とは?
自閉スペクトラム障害(ASD)は、個々の発達において社会的な相互作用、コミュニケーション、興味・活動の範囲で困難を抱える神経発達障害の一つです。
ASDを抱える人々は、異なる程度で症状が現れ、一般的な発達のパターンと異なる行動や認識の特性が見られることがあります。支援者として、自閉症を理解し、適切な支援を提供する上で留意すべきポイントがあります。
①スムーズなコミュニケーション
コミュニケーションにおいては、非言語的なサイン(可視化できるもの)や表現が特に重要です。ASDを持つ人々は、言葉だけでなく、視線、ジェスチャー、体の動きなどを使ってコミュニケーションすることがあります。支援者はこれらの非言語的なサインを言語と一緒に取り入れ、子供達個々のコミュニケーションのスタイルを尊重することが求められます。
②なるべく予測可能な予定が安心です。
自閉症を抱える人々は予測可能な環境やルーティンを好むことがあります。
変化が大きいものや予測不能な状況が不安を引き起こす可能性があるため、支援者は事前に情報を共有し、安心感を提供することが大切です。
これは、私達の脳の仕組みが関係しているもので、ある意味「こだわり」にもつながるこの特性は、脳の発育段階では重要なものです。決して「自閉症だからこうなる」というわけではないのです。
もちろん、地震などの天災をはじめ、日頃のスケジュールも変則的になることはあり得ます。その変則的さに慣れるためにも、まずは「予測可能なルーティン」を経験して、ここから幅を広げていく支援はとても大切です。
将来、「出たとこ勝負」に対応できるようになるためにも、早いうちに介入していくことがとても大切です。私達の水泳教室でもこの支援は重視しており、「場所見知り」が強かったお子さんが、今では「初めての場所に行くのが楽しみ!」というまでに成長した例がたくさんあります。
③感覚過敏や感覚鈍麻
感覚の特性があることも留意すべきです。光や音、触覚などに対して私達よりも鋭い感受性を持つことがあり、反対にこれに敏感に反応することがあります。支援者は環境を工夫し、子供にとって居心地の良い快適な感覚状態を促進する工夫が求められます。環境が整うと、自称行為などの問題行動も起きにくくなります。
自閉症の子供達は、健常児に負けないほど、一度発揮するとかなり高い集中力を発揮します。学校や習い事では授業に集中できない場合は、周りの刺激が多いことがほとんどです。
調整できないことも数多くありますが、可能な限り調整していくと、一気に飛躍していくのも特性です。
④教育環境や社会的な場でのサポート
これは一生涯不可欠です。学校や職場での理解を促進し、個々のニーズに合わせた適切な支援を提供することが重要です。適応行動やコミュニケーションのスキルを発展させるためのプログラムやアクティビティも有効です。
私達も、啓蒙活動を大切にしているので、子供達の心の声を代弁するのが支援員の仕事の一つと考えております。
⑤尊重と理解
最後に、尊重と理解が支援の基本です。自閉症を抱える人々は異なる能力や価値観を持っており、その個性を受け入れ、尊重することが重要です。支援者は柔軟で個別化されたアプローチをとり、自閉症を持つ人々が自分らしい生活を営むためのサポートを提供する役割を果たすことが期待されます。
まず、自閉症は個別性が強調されるべきです。同じ自閉症でも、その特性や程度は大きく異なります。一部の人は社交的である一方、他の人は非常に独特な興味を持っているかもしれません。これらの個々の違いを理解し、尊重することが支援の出発点です。